玉ネギとメバル
花の祭典真っ最中の淡路島へメバル釣りに行ってきた。神戸淡路鳴門道を西淡三原で下りて淡路島南端の土生まで行く。地道に下りると路の左右は玉ネギ畑。若玉ネギのすがすがしさが心地よい。明石海峡大橋を越えてわずか一時間足らず。と、もう眼前の海は紀伊水道。大平洋だ。着いたのは午後七時。夕方の海は美しい。沼島が銀色の海に浮かんでいた。折あしく小雨。釣りは翌朝の予定。
山の南斜面に別荘用マンションがあって、その四階がこの日の釣り宿。バブルの残骸でべらぼうに安かったとオーナーの釣友は言うが、枇杷やミカンの木立に囲まれた別天地である。
明けて翌朝。風が強かった。メバル釣りは凪が良い。が、週末アングラーはサラリーマンの宿命である。リストラ風は怖いけど、景気回復のきざし明らかな春風じゃないか、大丈夫だいじょうぶと勇み出た。
釣り場は黒岩水仙卿の沖合約二キロ。諭鶴羽山を後ろに背負っての釣りだ。予報どおりの北風ならまず支障はない。
乗合遊漁船の客は、われわれ仲間五人の他に、ベテラン氏が一人だけだった。釣果は使った釣り竿の柔らさの順であった。メバル釣りは竿が柔らかな方が食い込みが良いとは以前から承知していたが、これほどまで差が出るとは思わなかった。フニャフニャ竿のベテラン氏が竿頭である。彼は、われわれを完全に圧倒し、叩きのめした。私は昔から硬竿派である。これを機会に少し反省してみようかと思う。